【サッカーマーケティング⑤】知ってもらうためにすべきたった1つのこと

前回同様きっかけづくりの話ですが、今回はより深く知ってもらうためのヒントをお伝えします。 Jリーグクラブは、Jリーグ百年構想の元で地元密着活動を行っています。 アビスパ福岡も、地域のお祭やイベント、学校訪問など毎年多くの選手や監督を派遣しており、アビスパ福岡を知ってもらえる機会になっています。

選手全員が参加したアビスパ福岡の商店街イベント

福岡市の中心地、天神にある新天町商店街。アビスパ福岡は、この商店街で選手全員が参加し、商店街の各店舗の1日店長になるイベントを開催したことがありました。
和装店担当の選手の和装姿や、サッカーよりも商売人が向いてるのではないかと言われる選手など、普段見ることのできない選手の姿に、ファンも商店街の方々も大変好評となったイベントでした。

一度に20名を超える選手が来た大イベントだったのですが、商店街の方々からするとアビスパ福岡が来たという認識しかなく、盛り上がりはその一時終わってしまいました。

1人しか参加しない川崎フロンターレの商店街イベント

通常商店街のイベントにJクラブの選手が参加する場合、メインどころの選手や監督が数名参加するのが一般的です。しかし、神奈川県川崎市に本拠地を置く、川崎フロンターレはちょっと違います。

川崎フロンターレも、毎年川崎市内17の商店街で選手訪問を行っています。
ただし普通と違うのが、派遣する選手は1商店街につき、1~2名。
しかも重複する選手はいません。
なので、チームに所属する選手が、必ずどこかの商店街の担当となるわけです。

ふれあいイベントも1人
店舗の挨拶まわりも1人
ポスターも自分だけが載ったポスター

その結果、何が起こるかというと、サッカーやフロンターレのことを知らなくても、街中が来てくれた選手のポスターでいっぱいになり、街全体で来てくれた選手のことを応援してくれます。
選手たちも、担当商店街が気になるので、オフの日にふらっと訪れるようになり、地域密着が加速します。

試合に出てなかったら、商店街の威信に関わるということで担当選手への叱咤激励が増し、選手も手が抜けなくなるという効果があるとか?!

ひとつの事にしぼり深く伝える

特に複数の製品を取り扱っている場合、どの商品が好きになるきっかけになるかもしれないので、あれこれ一度に伝えたくなります。しかし、人は一度に複数のことを覚えることができないので、逆に何一つ伝わらないことが多いです。

川崎フロンターレのように、まずは一つの商品だけと割り切り、より深い情報を提供することで、必要としている方に深く伝えることができます。
メディアを運営していて、読者が増えないなという場合は、提供する情報の幅を狭めてみてはいかがでしょうか。