消費者と密着するオウンドメディア、5つの条件

インバウンドメディア(インバウンドマーケティングを目的とするメディア=オウンドメディア)という言葉と情報が飛び交う現代。しかし、その説明をし成功へとつながる記事は極めて少ない。これからインバウンドメディアを運用を考えているのであれば、情報の坩堝の中から適切なものを選びぬく眼力も必要となる。その為、今回はインバウンドメディア初心者が成功するための5つの秘訣を具体例と共に提示する。正しいモノを見る目を養ってもらえるよう、5つのチェック項目にまとめたのでぜひご高覧されたい。

インバウンドメディアの成功とは

そもそもインバウンドメディアとは、消費者に有用な情報やコンテンツを提供することで消費者自らが提供元会社の商品やサービスを発見し、購入していくことを要として使用されるものである。

つまり、質の良い有用な情報やコンテンツを提供しなければ、提供元の会社の商品やサービスにたどり着いてもらえず成功はできない。

インバウンドマーケティングはTVやインターネット広告で宣伝する従来のマーケティングとは違い、大きな宣伝費はかからない。しかし、質の良いインバウンドメディアを作り、消費者が集まるようにコンテンツ設定を続けなくては、成功せずに失敗に終わってしまうのだ。

【チェック1】自社独自の収益サイクルを決める

 

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インバウンドメディアで成功するために重要なことの1つ目は『収益サイクル』を決めることである。

他の分野においても必須の収益サイクルだが、このことを忘れてコンテンツ作りして成功を逃す企業も多い。インバウンドコンテンツだけを良質にし収益サイクルを決めない場合、消費者の流れは下記のようになる。

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(1)自分の求めている情報、サービスを探す
 ↓
(2)良質なインバウンドメディアを見つける
 ↓
(3)インバウンドメディアを利用し、満足して終了
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インバウンドメディアは大体の場合、有料コンテンツではない。そのため、消費者の流れが会社に繋がるサイクルになっていない場合は、収益を上げるポイントが無くなる。かといって、通常、インバウンドメディアは無料であって初めて高い効果を発揮し成功するので、インバウンドメディアを有料化して稼ぐのはナンセンスといえよう。

成功するためには収益サイクルを考えて、提供元企業の商品の購入に至らせることが必須である。

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(1)自分の求めている情報、サービスを探す
 ↓
(2)良質なインバウンドメディアを見つける
 ↓
(3)インバウンドメディアで自分の欲求に合った商品に出会い、購入する
 ↓
(4)購入物を元に、消費者の好みに合った情報が紹介され、欲求が刺激される
 ↓
(3)へ
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インバウンドメディアを一度利用すれば欲求と検索、購入のループに入るように構成しておくことが成功の秘訣である。もちろん、これはパターンの一つのため、適宜、収益を上げる商品に合わせたサイクルの変更をすることでより成功への近道となる。

【チェック】
□自社独自の収益サイクルを決めたか? そのサイクルは消費者を購入媒体に誘導しているか?

【チェック2】売上目標と達成期間を計上し未来想定を立てる

 

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インバウンドマーケティングを行う上で、売上の達成目標とその期間を定めない場合は成功は遅い。

広告費がかからないという名目上、インバウンドマーケティングは資金力の乏しい企業にも好まれているが、実際は運営スタッフの人件費、制作運用期間、執筆料金など即確認がしづらい費用が多額でかかっている。考えられる売り上げと、自社の人件費その他とのバランスが悪い場合には、再構築をする必要もある。売り上げの悪い時期を耐えて成功するパターンもあるが、それらの会社は特例だ。

また、インバウンドメディアは運営改良よりも初期構想の時点で利用者の絶対数が決まってしまう。運営しながら改良して成功し直すことが出来ないため、達成期間を早期計上しなくては失敗する。まずは短期間運用して、ダメだった場合は内容を再検討して再構築し新しいモノを考えた方がよい。

期間にして半年~一年程度の初期売上目標と達成期間を定め、期間終了時の結果に応じて今後の舵取りをするのが成功への近道だ。また、期間終了までの分析については日割りのデータを毎日見るよりもひと月単位でデータを集計し、全体の流れを見ながら微修正をしていくのが成功する大前提である。

【チェック】
□自社の売り上げ目標を設定しよう。微調整と再検討を行う期間を設定しよう

【チェック3】自社のイメージを理解し、最適な売り出し方法を考える

 

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インバウンドメディアを運用し成功する際、消費者から見た自社のイメージの確認を怠りがちである。自社のイメージと違うことをすると信用が地に落ちる場合があるが、無視して失敗するケースが後を絶たない。

例として、激安多売で低価格食品を提供していた会社が、突然高額で販売するインバウンドメディア母体を作るとする。すると消費者の中にあった『安くて、それなりの商品を売る企業』というイメージが邪魔をし、例え消費者の検索に引っかかったとしても信用されず成功が遠のく。

初めから安いものは、高くなれば消費者が減る。安いから買っていたのであって、高くても買い続ける消費者は少ないと心得て、他の作戦を練るべきだった。

質に重きをおくインバウンドマーケティングでは、特に消費者の検索のしやすさが成功の必須条件になる。自社イメージに合ったインバウンドメディアを作ることが、成功への近道だ。

自社のイメージがわからなければ、周囲に確認を取り、理論武装で固めてからインバウンドメディア母体をつくることが得策である。

【チェック】
□自社のイメージとは? 自社が作るべきインバウンドメディアとは?

【チェック4】宣伝とお得情報配信によって生活と自社を密着させる

 

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インバウンドマーケティングの利点は宣伝費がかからないまま成功できる点である。だが、全く宣伝をしなくては消費者が集まらない。そのため、インバウンドメディアを運用する際には消費者が集まりやすいコンテンツ内容と、効果的で費用がかからない宣伝方法双方が成功の必須条件となる。

例えば、自社サイトの動画で定時に割引クーポンを配布したり、登録をしてサイトから応募をすれば毎日試供品が貰えるサイトは簡単で消費者にもわかりやすい成功例だ。

割引クーポンや無料の試供品などを欲しがり検索する消費者は多くいる。自社の商品を買ってくれる見込みのある消費者を集め、そのグループに割引や試供品という名で自社の新製品を売り込み、日々の生活に定着させていくことで日常サイクルに自社を欠かせないものとする。

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(1)自分の求めている情報、サービスを探す

(2)良質なインバウンドメディアを見つける

(3)インバウンドメディアを利用することで自分の欲求に合った商品に出会い、購入する。

(4)購入物を元に、その消費者の好みに合ったインバウンドメディアが紹介され、欲求が刺激される。

(5) (3)と(4)を繰り返す

(6)宣伝(試供品、クーポン)の受信

(7)自社商品の購入・消費
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最終的に自社の利用サイクルを消費者の生活に組み込むことが、インバウンドマーケティングを成功させる秘訣である。一度クーポンを使えば、消費者は長期的にその会社の製品を使う。横展開も可能となる最善手の成功例である。

【チェック】
□自社の宣伝を定期的に消費者に行っているか? クーポンやメルマガを配信しているか?

【チェック5】スタッフ全員の最終目標を設定し記録を伸ばす

 

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インバウンドマーケティングを行う現場でよく起こるのがスタッフ間での最終目標の違いである。インバウンドメディアを作るチームは面白さや美しさを追求し、商品開発スタッフは自分の商品を売ることだけを考えると、成功できない。

スタッフ毎、部署ごとで最終目標がズレてしまうと、衝突が発生するためだ。もちろん、各分野を専門的に担当してもらうことは必要だが、会社全体がどこに向かいたいのかは認識してもらうことが成功への必須手段である。

質の高いメディアを作っても自社製品の消費を促せなければ意味がない。いくら良い商品を作っても運用メディアと合わなければ消費者に見向きもされない。このことを社員に周知させることで成功が早まる。

以下が、インバウンドマーケティングを行う際に経営者から販売スタッフに至る社員すべてが確認することで成功する事項だ。

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・自社はどうやって収益を上げているか
・収益を上げる為に自分の部署はどのような活動を行う必要があるか
・自分たちの活動によって消費者はどのような行動をし、満足しているか
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この3つをインバウンドマーケティングに関わるスタッフが意識するだけで、マーケティングの収益が劇的に変化し成功につながる。社内に張り出すだけでも、成果は大きく変わっていくだろう。

まとめ

インバウンドメディア成功の秘訣5条
【チェック1】自社独自の収益サイクルを決めて消費者を購入媒体に誘導する
【チェック2】自社の売り上げ目標を設定し、微調整と再検討の期間を設ける
【チェック3】自社のイメージを理解し、独自の売り出し方法を考える
【チェック4】宣伝とお得情報配信によって生活と自社を密着させる
【チェック5】スタッフ全員の最終目標を設定し記録を伸ばす


インバウンドマーケティングは通常の広告宣伝と違いコンテンツの質で消費者を集める。そのため、中小企業でも成功できる有用なマーケティングである。しかし、それは大企業にとっても同じであり、大企業に勝つ方法も考えなくてはいけない。低コストで集客や消費者教育が行えるインバウンドマーケティングは魅力的で、今も活用して成功する大企業は増え続けている。

マーケティング乱世とも呼べる現代で成功するためには、本記事で紹介した基礎を固め、自社に最適な立ち振る舞いを編み出すことが必要だ。自社に合わせた武器を身に着けていかなければ、量<質に変化し続けている現代、企業が成功するのは困難になる。