福岡旅行をより快適にーー海外旅行者向けルート案内サービス
スタートアップ支援事業に力を入れている創業特区・福岡市。私たちが知らないところで、数多くのスタートアップ企業が生まれています。本連載では、日々奮闘している「福岡発・スタートアップ」に注目して、彼らのサービスとともに今後の展望についてお聞きしていきます。今回は、 spectacle 代表 岩永 務氏にお話を伺いました。
ゲストハウス運営で気付いた海外旅行者の悩み

ーーサービス立ち上げの経緯について教えてください。
元々はアーティストを応援するサービスを作りたくてスタートアップに興味を持ったんです。僕自身もバンドをしていたので、実体験をもとにサポートできる仕組みを作りたくて。ちょうどサービスを立ち上げようとした頃、初めて海外で「Airbnb」を利用しました。
民泊にあまりいいイメージを持っていなかったので、利便性とデザイン、快適なコミュニケーションにすごく感動したんです。アーティスト向けサービスの方は着手していたものの、資金面でのハードルが高く、課題も山積みでしたから、まずマネタイズすることを目標にゲストハウスの運営を始めました。
すると、ゲストハウスのユーザーから次々に課題があがってくるんです。「美味しい食べ物屋にはどうやって行けばいいのか」「バスの乗り方がわからない」など、飲食店と交通機関に関する悩みや疑問をほとんどのユーザーが抱えていました。ゲストの役に立つサービスを立ち上げたいと思った瞬間でした。
ビジュアルルート案内で期待以上の旅行体験を
ーー今、開発中のサービスについて教えてください。
現在開発しているのは、「Candle(仮称)」というARを活用したルート案内サービスです。人々に大きな灯ではなく小さな灯を灯したいという想いを込めています。
福岡ってバス乗り場も多いので、ピンポイントで行きたい場所に行くためにバスを利用するのってハードルが高くて。私たちは既存のサービスを使えても観光者は知らなかったりするので。飲食店への道のりや予約システムについても同様です。 より多くの国の方に対応できるよう、言語別ではなくインフォグラフィックを活用したビジュアルとARで伝える交通案内を目指しています。 ーー実際に課題や疑問点があがってくる中で感じることはありますか?
ガイドブックを持って「ここに行きたいんだけど」って相談してくれるのですが、その情報がローカライズされていないことがほとんどです。もちろん初めての旅行の場合と、2回目、3回目の場合では行きたいお店は変わると思いますが「そこはあまりお勧めしないな……」というところも正直あります。 せっかく福岡に来たなら、期待を超えるような体験をして欲しいので、ガイドブックよりも楽しい体験を提供できたり、旅行者の想像していた福岡旅行のイメージを変えるようなサービスにして行きたいです。