東京砂漠に福のオアシス?在京福岡人が集まる「リトルフクオカ」とは/次回は今週末5月26日(金)八重洲で開催!

東京に博多弁が飛び交う「リトルフクオカ」があるのをご存知だろうか。福岡出身者だけが住む街区がある、という話ではなく、在京福岡人の間で徐々に認知度を高めているイベントである。2015年から定期的に都内で開催。毎回100人を超える福岡人が、日々の仕事を忘れて地元を語り、肩を組み、これまでに7回を重ねた。いったいどんなイベントなのか。

 2月9日、東京・渋谷区のダイニングバー。午後7時ごろ、地下に降りる階段に次々と人が吸い込まれていく。「初めて来たっちゃけど」「ここでいいとかいな」――耳慣れた博多弁だらけだ。
 
ネームカードに名前と職種、そして福岡での「ゆかりの地」を書き込み受付完了だ。
会場内ではアビスパ福岡の法被や「FUKUOKA CITY」のロゴ入りTシャツなど、すでに福岡愛が溢れ出ている参加者も。飲み物も、福岡の居酒屋では当たり前の存在なのに東京の酒場ではなぜかなかなかお目にかからない米焼酎「白岳」やそば焼酎「雲海」、食事には九大OBなら誰もが知っている同大学食の名物メニュー「ジロー風スパゲティー」を再現したパスタまで出ていた。
 
会場で出された『ジロー風スパゲティー』風のパスタ


乾杯後しばらくして、希望者による壇上での自己紹介タイムが設けられた。IT企業、デザイン事務所、福岡から出張中…、約10人が熱く語るが、会場はそれを上回る喧騒だ。
「だーれも聞いとらん。福岡の飲み会と同じやん!」。自己紹介も負けじとヒートアップする。
 
東京ではなかなかお目にかかれない当日の西日本新聞も抽選でプレゼントされた

大手携帯電話会社に務める30代女性は初めて参加した。
就職で東京に出てきて10年余り、「そりゃ帰れるもんなら帰りたいですよ」と打ち明ける。もちろん仕事は順調だが、「ときどき、そこはかとないアウェー感に包まれる」。とはいえ「言葉ですかね、なかなか博多のイントネーションがとれないみたいで」と少し嬉しそう。
地元は古賀市。自然と街の調和が懐かしいが、「福岡の拠点に異動したら、職種が限られるし…」。ワークかライフか、そんな悩みだ。
 
メディア関係に勤務する40代男性は東京の「残念なところは一つだけ」と話す。それは終電の存在だ。
「福岡にいるときは夜、お酒を飲む時間を気にする必要がなかった。終電に乗り遅れれば歩いて帰られる場所に自宅がある。遠くてもタクシーでせいぜい3000~4000円で済みますから」
終電を気にして早めに飲むようになり、「ときどき福岡でエンドレスの飲みに参加すると、身体が持たなくなった」と苦笑する。
 
この日のリトルフクオカで最も盛り上がったのは福岡県八女市生まれのCMクリエイター中島信也さんの登壇だった。
サントリーの「伊右衛門」などを手掛けた、日本を代表するCMクリエイターは「トランプが大統領になっても、仕事で失敗しても、振られても元気に酒を飲む。これが福岡人!」と宣言。福岡ローカルCMのベスト5を独断で発表し、会場は興奮に包まれた。ちなみに1位は東雲堂の「にわかせんぺい」だった。
 
締めは『祝い目出度』からの『博多手一本』

 リトルフクオカは福岡人たちによる「自然発生型」のイベントだ。
仕掛け人の1人、執行謙一さんは「東京にいる福岡の知人同士で話しているときに、ふと『みんなで集まって見ようか』という方向になったのがきっかけ」と話す。
2015年8月、「試しに」池袋の居酒屋で開いてみるとあっという間に50人集まった。本開催の1回目は渋谷に場所を移し、約120人規模で開催。集まった人たちは名刺を次々と交換し、そこで新たなつながりが次々と生まれた。もともと郷土愛の強い福岡人にとって、オフィシャルでも単なる遊びでもない、東京でのこうしたイベントは「あるようでなかった」(参加者)機会になったという。
 

 2月の第7回リトルフクオカは約3時間の歓談やイベントを経て、「祝い目出度」と博多手一本で締め、参加者は次回会合での再会を誓いあった。
第8回は5月26日、東京都中央区八重洲2丁目の福岡ビル4階にあるコワーキングスペース「DIAGONAL RUN(ダイアゴナルラン) TOKYO」で開かれる。20:00スタート、22:30終了予定(開場は19:30~)
詳細はFacebookで。
http://urx3.nu/DDFU 
 ※第8回イベントは終了しました。
 
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