【セミナーレポート】 「モバイルインターネット時代の国内デジタルマーケティング最前線」後編

8月30日福岡市西鉄グランドホテルで開催された、ふくおかフィナンシャルグループによる「FFG デジタルマーケティングセミナー 〜『個』客起点のマーケティングを行うためには何が必要か〜」。
その中のランサーズ株式会社取締役COO 足立 和久氏の講演の「モバイルインターネット時代の国内デジタルマーケティング最前線」の講演レポート後編。
前編では、自分のニーズや関心がある情報を自ら選び取るようになった消費者=「個」と、それに企業が対応しデジタル化したとことを解説。後編は、福岡でも取り入れていくべきデジタルマーケティングの最前線についてお伝えします。
デジタル化によって生まれた企業の課題と解決方法
デジタル化した消費者と企業。企業はデジタルマーケティングにより、自分のニーズや関心がある情報を自ら選び取るようになった消費者=「個」に対し有効な施策が打てるようになった。一方で、「デジタル化の対応に、企業が取り組む上の課題も生まれました」(足立氏)。
デジタル化した消費者に合わせ、企業がなすべきことは増加。
PC/スマホ両対応のHP、SNSコンテンツ制作と運用、Googleアップデート対応、アドブロック対応、コンテンツマーケティング、情報の量産とシェア拡大・・・。
この膨大な作業量を企業はどう対応・解決していけばよいのか。
「企業がデジタルマーケティングに取り組むには、クラウドソーシンング活用が有効です」。
デジタルマーケティングの取り組みには、大量の制作と運用のPDCA が重要であり、それには「クラウドソーソングの流動的なリソース活用が効果的」だという。
「個」客に発信。 福岡におけるデジタルマーケティング実例
話は「どうやってクラウドソーシング、アウトソーシングでデジタルマーケティングを行うか」の実例について進んだ。現在、ランサーズは福岡銀行・FFGグループの金融ネットサービス『iBank』事業に西日本新聞メディアラボと共にタイアップ。
※『iBank』とは、FFGとiBankマーケティング社が共同で立ち上げた、モバイルファースト時代に即した新しい顧客体験・価値を提供することを目的に、金融と非金融、 日常と非日常をシームレスに繋ぐ金融プラットフォームの総称
それと共に消費者=『iBank』ユーザー、もしくは未来のユーザーが気軽にサービスを利用してもらえるようコラムサイト『mymo』を構築。
そして、このコラムサイト制作を行っているのが西日本新聞だ。大量のコラムをクラウドソーシングを使ってライターに執筆依頼することで、大量かつ継続的なコラムのリリースが可能になった。
ランサーズと西日本新聞メディアラボ、さらにそのユーザーがどんなコラムを読んだか、どこまで読んだか、どんなものに興味関心があるのかなど全て分析。
FFGグループは、『iBank』ユーザーのID単位で情報をランサーズや西日本新聞と共にデータベース化。
これによりユーザー個々の行動特性や趣味嗜好がわかり、個にマッチした有効な情報発信が可能になったという。
※『iBank』事業のプロダクトであるアプリ「Wallet+」のダウンロードはこちらから
デジタルマーケティングで、「個」客を満足させられる情報発信が実現!
『iBank』事業の取り組みにより、ユーザーの性別・既婚・世帯内容・居住地域まで分析が可能に。「福岡の人口509万人に対し、約7割・375万人のデータベースが完成しました」(足立氏)。
データを細分化し、セグメント毎のカスタマージャーニー(どういう行動をしてどう購入に至るか、どう活用するかを時系列にして消費者の気持ちを追うマップ)にすると、さらにその顧客にパーソナライズしたアプローチを行えるようになる、と足立氏。
例えば不動産が欲しいユーザーがいたとしよう。そのユーザーが市内・郊外どちらを望むのか、子どもはいるのか、いれば大きいのか小さいのか、というようにカテゴライズし、将来的にはユーザーに応じた、パーソナライズしたサイトも可能なのだという。
「データを活用することで顧客のニーズに合わせ、適切なタイミングで、好まれる方法でコミュニケーションする新しい顧客志向のマーケティングこそ、これからの時代のマーケティングなのです」。
最後に足立氏は地元でデジタルマーケティングを進めたいということなら、ぜひお手伝いしたい、と話をしめくくった。

今回の参加者は、経営者がメイン。その中から30代前半のカジュアルな服装の女性と、50代のビジネス姿の男性にセミナーの感想を伺った。
「うちは航空券のネット販売がメインなのに、分かっていなかったと感じるところが多く、勉強になった。もっと会社全体でコンテンツマーケティングに取り組んでいかねばと思った」(30代女性・旅行業・役員)
「ランサーズさんとは業種は全く違うがネット業界の会社のため、角度を変えて見ることができた。情報の移り変わりが早く、昨年のものがもう古くなっていくような時代、どんどん新しいものに仕入れていきたいと気持ちを新たにした」(50代男性・情報業)
セミナーの後には懇親会も開かれ、多くの方が参加された。福岡のデジタルマーケティングの将来は、こういった方々に支えられ、発展していくのだろうと感じた。
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「モバイルインターネット時代の国内デジタルマーケティング最前線」前編はこちらから。
※この記事に関するお問い合わせは下記までお願い致します
ランサーズ株式会社 福岡支社 担当:森口 moriguchi.hiroko@lancers.co.jp